2018年12月31日

12

色々な価値観を持って歴史も文化も様々なのに

思えば世界は仲良くこの数字に支配されて時を刻んでいる

酷い争いも時に不謹慎にも兄弟喧嘩のように錯覚してしまうのも

この数字が持つ支配の魔力なのかも知れないと思ったりする

人類は神に愛されているのだろうか

或いは神は人類が生み出した制御機能の象徴なのだろうか

それを断定出来る賢者は未だ現れず

声高に叫ぶ者は異端者として時代に埋もれていく運命にある

私は希う

全ての人々に平安あれと

ただ希う

無力であればこその切なる祈りとして

満天の聖星に畏怖と敬意の中で額ずくほどに

 

譜奏318

2018年12月28日

海に落ちた星を見て

ガラスのような水面を見ていて

空の星は海の星が映っているのだと思った

小さい波に揺れる光がとてもキレイだったから

ウィンドーに飾られているサテンドレスが

わたしの瞳の中でキラキラと写っていて

今にも踊り出しそうで胸がときめいた

初めて見た光の光沢があまりに美しかったから

きっとその美しさが私の生き方に着床して

私は醜いものを受け入れない偏った大人になった

今そんな自分に苦笑いしながら

少しの誇りが胸にあるのを感じている

バランスを取る必要など人生には不要に思える

光の粒子はその場所では生きられないのだから

 

譜奏317

2018年12月26日

一年を待ち続け

一秒と一日で終わるクリスマスの過ぎた朝

私は物事の終わりを死と感じて肩を落とし

母を困らせるような要求をしてダダをこねた

悲しかった

何かは終わり全てに限りがあるという現実が

これからの自分をきっと怯えさせていくと予感したからだ

それから私は少しづつ変わっていった

自分が本当に楽しみとすることは

自分自身の中に内在させようと私は思ったのだ

私自身の中にだけあって終わらせなければ

死と感じるようなひどい悲しみはもうやってこないのだからと

そして私は表現者という流浪の民になった

最後の一秒まで生に同響しながら舞うと決めて

 

譜奏316

宿命前夜 蒼の夜 3

私が死んだら

永遠に銀河に漂っていたいと

あの日

星と話したのに

運命と名乗る風に

あなたの願いは何かと訊かれて

私は不自然に見えない柔らかさで

手に口づけをと

微笑む

悲しみのあまり

話さなくなった

私の罪は

毒を甲に塗っていただけと

前夜に祈っていたから

 

譜奏315