2019年2月27日

忘れた罪が

吐息で雨になれば

昨日までの時間に小さく

さよならと言って

声から指先

抜けていく鼓動に

飾られて行き場なく

愛に溺れていたの

悪女を気取って

その赤に閉じ込めても

爪から肩先

悲しみに震えて

さびしくて折れていた

わたしだけのルージュ

 

譜奏343

2019年2月25日

知らない街の道で

座り込んでいた人

きっと

悲しい目の私に似てた

通り過ぎていったけど

水に溶けて流れるような

かけがえのない今を

胸のどこかでわかっていても

何もできないけど

空から降る雨にもいろんな色があるね

一人迷い目で手と手を合わせ

いつか人の心に残る種を

一息吹き出して私

風になりたい

 

譜奏342

2019年2月22日

自分が誰なのかさえ

感じなくなっていた闇の中で

やっとみつけた夢を

両手で抱えて

きっと

意味もなく

生まれてきた訳ないと

心で叫んで

流れていく時を

みつめて

いつかひたむきに生きることが

きっとあると

信じていた

寄るべなき私にも

 

譜奏341

2018年2月20日

銀の雨

しずくがこぼれ落ちて

さびしい歌になる

永遠に会えない人の声

胸に刻もうと

一人振り返った夜を

脱ぎすてて

今この時の自分が

忘れられていく

ありふれた

思い出のように

うつむいた横顔

陰に落ちて

さびしい星になる

 

譜奏340