瞬く間にも時は過ぎて
振り向く幼な子
母の胸に
夢を急ぐ哀しい人
たたずむ石の壁
風に揺れる
私に似ていた名もない花
人の群れに残されても
祈りの声を消すように
幾千年流されて
一人で見上げる太陽
愛した人眠る空
どこまで行くのか
傷んだ足で
譜奏369
瞬く間にも時は過ぎて
振り向く幼な子
母の胸に
夢を急ぐ哀しい人
たたずむ石の壁
風に揺れる
私に似ていた名もない花
人の群れに残されても
祈りの声を消すように
幾千年流されて
一人で見上げる太陽
愛した人眠る空
どこまで行くのか
傷んだ足で
譜奏369
眠れない夜に身を丸めて
帰らない時間を数えても
補いきれない日々は
水に刻む歌のように
月に冷えて
遠ざかっていく海のように
私を淡い影に変えていく
キレイに光沢させたウソも
真ん中の純粋もあの夜に
みんな涙のように棄てて私
飾り言葉を投げつけてしまったの
なのに何故
愛のように思い出しているの
この手を逃げていった疵なのに
譜奏368
スタンドの淡い陰
二人だけの夜ね
きっと私のせいなの
愁いだけ残して
これが最後の恋だと
胸で言い続けてきた
強がりとわかっても
さびしさに気づいたら
何も言わずに
私の涙
唇で拭って
あなただけなの
子供のように
わがままを言えたの
譜奏367
砂にかくした
ガラス球のように
人は帰れない
幼い愛に
強い眼差し
痩せた恋を置いて
どんな夢があなたを
つかまえていたの
大人の振りをして冷たく微笑んで
閉じたの
光に背くように
空にかざした透けた手には
どんな明日が愛が
見えていたのですか
譜奏366