夜をみつめる時
自覚しない厄介な自分が現れて
人の世界の言葉の不足を嗤う
想い
愛情
そして次は遥かに魂なのかと
嗤う
私がある歌を歌う時
自覚してきた自分に向かって
その粗い空間のような隙間には
韻律という磁波が途切れない波のように
平面を継ぎ続けていると感じると
今度は夜が私をみつめて
夜明けは苦しいのと言い出すのだ
譜奏134
夜をみつめる時
自覚しない厄介な自分が現れて
人の世界の言葉の不足を嗤う
想い
愛情
そして次は遥かに魂なのかと
嗤う
私がある歌を歌う時
自覚してきた自分に向かって
その粗い空間のような隙間には
韻律という磁波が途切れない波のように
平面を継ぎ続けていると感じると
今度は夜が私をみつめて
夜明けは苦しいのと言い出すのだ
譜奏134
美しく生きるということと
キレイに生きるということとは
少し違うように見えて実は全く違う別物だと気づかされる
先人たちも伝え切れなかったのだろう
その点は形容も貧弱なものが多く
個人の偏った比喩に止どまるものがほとんどだ
美しくは心に血が流れるものであり
キレイには人生としての潔癖さが背後に見えるものと
今私はそう暫定している
少女の日からただ美しく生きたいと希ってきた私は
私の身体で感じられるものしか信じない頑なな大人になっていた
朽ちているのに形だけ遺った高揚しただけの隠喩など
決して食べてはいけないのだと
きっとあの朝の太陽が教えてくれたに違いないと
譜奏133
幸せを見比べる人の目線を感じて
それは演技なのだと思ったら私は捻れて
その人の空間の全てが薄っぺら過ぎて
息を吸うのも苦しい季節ほどの長さの時期があった
ちょうどそれは私の青春時代の最初の頃だった
人は未意識に自分の心を惑わせる人格多重だ
私はそう決めつけて警戒しながら青春を過ごすことになった
絶望を永遠に奪い去るサプリメントが将来開発されたら
そのサプリメントのネーミングは絶望と名付けられるのが相応しい
そう思うしかなかった
何故多くの未意識は比べるのだろうという問いも今はない
多重など雨降る小屋の三文役者なのに
人生はパソコンのように上書きなど出来ないんだからと
もう一人の影が教えてあげたら良いのにと
譜奏132
人と話す時は何ともないけれど
病的に
月と話す癖のある私は
何かを尋ねられることを嫌っている
月に
だから私は一方的に心のままを
ただ胸の中でくりかえす
決して言葉は使わずに
このようなナルシスト的な自分の側面を自覚した時には
私はもうそういう私になっていた
窓辺に甘い水を置き
蛍を呼ぶように夜空をみつめる
その姿が美しくなければならない
たとえ月を盗んでもと
譜奏131