夜明けに青い蝶を見たの
本当の色を隠して
何かに紛れながら
愛せない街を歩く私を
見送るように
咲いて散ればいい花より
刻んだ血を忘れた
淋しいタトゥー
指先でなぞっても
ノンキャラット
雨音
そんなに跳ねても
悲しいだけのリズム
私だけに
譜奏331
夜明けに青い蝶を見たの
本当の色を隠して
何かに紛れながら
愛せない街を歩く私を
見送るように
咲いて散ればいい花より
刻んだ血を忘れた
淋しいタトゥー
指先でなぞっても
ノンキャラット
雨音
そんなに跳ねても
悲しいだけのリズム
私だけに
譜奏331
夜に永遠に抱かれるように
蒼くしなやかな熱を
身体に宿して
初めて開けた真実の箱
女優の生を映す紫の水面に
私はあどけなく揺らいで
凛として咲く花化身の幻を
命の影を追うように
その虹彩に写し撮っていた
たおやかな流星が
たとえ罪のように華やいで
息を閉じて眠ってしまっても
この熱はしなやかに高じて
永遠の夜に抱かれているだろうと思いながら
譜奏330
星が流れて哀しいカルナバル
一人希いを吐き出した祈りの日が
ひれ伏すだけの生け贄でも
ただ燃えつきるように
生きる証が欲しかったの
人を愛して
その愛を飾る炎になり
迷い風に揺れる薔薇のように
わたしは女なのだからと
照らし出す風も止んで
月に舞うフェミニーナ
ひるがえす背に
媚びた指に
一人だけの喝采聴こえる
譜奏329
永遠に消えない星
私だけの海に
煌めいて落ちて眠れ
時を忘れて
いつか誰か疾風のように
紅い月を盗んで
蒼い水面に映るように
踊るなら
謎めいた花のように
わたしは枯れていく色を捨てて
言葉を殺して
太陽を愛しすぎて翼が溶けた天使のように
運命だけではもう火がつかない夜を
みつめているの
譜奏328