2019年1月30日

夜明けに青い蝶を見たの

本当の色を隠して

何かに紛れながら

愛せない街を歩く私を

見送るように

咲いて散ればいい花より

刻んだ血を忘れた

淋しいタトゥー

指先でなぞっても

ノンキャラット

雨音

そんなに跳ねても

悲しいだけのリズム

私だけに

 

譜奏331

2019年1月28日

夜に永遠に抱かれるように

蒼くしなやかな熱を

身体に宿して

初めて開けた真実の箱

女優の生を映す紫の水面に

私はあどけなく揺らいで

凛として咲く花化身の幻を

命の影を追うように

その虹彩に写し撮っていた

たおやかな流星が

たとえ罪のように華やいで

息を閉じて眠ってしまっても

この熱はしなやかに高じて

永遠の夜に抱かれているだろうと思いながら

 

譜奏330

2019年1月25日

星が流れて哀しいカルナバル

一人希いを吐き出した祈りの日が

ひれ伏すだけの生け贄でも

ただ燃えつきるように

生きる証が欲しかったの

人を愛して

その愛を飾る炎になり

迷い風に揺れる薔薇のように

わたしは女なのだからと

照らし出す風も止んで

月に舞うフェミニーナ

ひるがえす背に

媚びた指に

一人だけの喝采聴こえる

 

譜奏329

2019年1月23日

永遠に消えない星

私だけの海に

煌めいて落ちて眠れ

時を忘れて

いつか誰か疾風のように

紅い月を盗んで

蒼い水面に映るように

踊るなら

謎めいた花のように

わたしは枯れていく色を捨てて

言葉を殺して

太陽を愛しすぎて翼が溶けた天使のように

運命だけではもう火がつかない夜を

みつめているの

 

譜奏328