2019年1月21日

青のない涙でまだらな空

落ちる雨になりたい

夢の先に紡いでいた

私だけの褪せない糸

壊して気がつくの

人は愚かな天使

目を閉じて傷ついて

手を当てて息をして

抱きしめて

重なるよ

ひと雫の血と絆だけ

悲しくて傾いた月をみつめていたの

時が止まるように

ただみつめていたの

 

譜奏327

2019年1月18日

空に続く糸は

誰にも見えないから

叶えられるのは

真実の希いだけと

雨が歌うように

虹に姿を変えていく

水に刻まれた物語を

やさしく聴かせて

アダムとイヴは恋にさ迷い歩いて

天使にはぐれて

愛だけを映す水面になった

涙が雨になることも知らずに

水に刻まれた物語をやさしく

やさしく聴かせて

 

譜奏326

2019年1月16日

生きていることのすべてが

飾り事のように思える夜に

息を小さくした私にさえ

振り返ろうとしないように

思い出にならない夜が過ぎていく

私にもいつか

運命という訪ね人が現れるのだろうか

そうであるなら

キレイに生きられなくとも

何もかも

燃えつくすような激しさに

灼かれたい

たとえ

悪ふざけでも

 

譜奏325

2019年1月14日

海水に重なる淡いヴィオレのように

自分を演じて

何かに似せて

生きてきたことを

胸に感じていた

吐き出した声が息のように消える

誰もいないスクランブル

青い文字時計を

屈むように見上げて

一度も歌わなかったのに

嫌いだった流行り歌

ふいに唇に流れて

どうして泣いているの

 

譜奏324