思秋の退屈な夜に星の光は今の輝きではないと知って
私は不思議というよりむしろうれしいと思う気持ちを感じていた
人間の考えの尺度に合わない力強さは
私にはまだ見ぬ将来への希望への煌めきだった
ミステリアスってね
脳内の化学反応を楽しんでるだけなんだって
条件の良い未来へ流れていこうとしているだけの
企みの女の切り口はしばしば私には斬新だった
何でも言葉に言い換えて何でもまとめてしまう
こんな生き方は案外女には合っているのかも知れない
そう思って優しく微笑み返そうとした時
彼女の目が人形のガラス玉に見えて
今そのものの光は卑しく輝いてすぐに死んでいくのだと解って
私はただたじろいだ石のように動けずにいた
譜奏121