2017年5月31日

星のダイナが光に膨らんで

誰かの愛を正すように滲む夜

全てのことが

本質さえ頼りにならないと

時に囁いているように思えた

形を与えられた物は

それぞれの一部を紡ぐことで

お互いのテリトリーを

認め合おうとしているのだろうか

そのように考えて

罪に触れない頑なさを守っていたら

目を閉じていられるのかも知れない

失われたダイナが赦したかのように

ただ輝こうとしているように

 

譜奏69

2017年5月29日

職業を選ぼうと考える時

人生のサイコロは

コロコロ遊び

必然の素振りで

一つの暫定を示す

その仕事が好きだからなのか

その仕事なら出来るからなのか

ただ糧を得たいからなのかを

聞くこともなく

そして概ね

時間が

人との関わりが

使い捨てられていくのだ

遊び疲れた慣性のように

 

譜奏68

2017年5月26日

人と人が解り合えないという前提は

人類の創造者がいるとしたら

その設定の意図を聞いてみたい

良い目的を持った設定であればと希う

真っ向からその前提に反感を持てない自分に

力無く受け入れている自分に

私はうなだれているだけだから

しかし人というのは

そう考えるより仕方のない生き物なのだろうとも思う

その苦悶から逃れるために

その欲望を忘れるために

そのどちらでもない何かのために

だから多くは諦めるのだ

何よりその執着を怖れるあまりに

 

譜奏67

2017年5月24日

人の心が

深海魚のように

透けて見えていたら

私は海水に擬態して

深海の闇に重なり

そのまま

その闇になっていく怠惰を

受け入れていたい

その時

私は形を失くしていく自分を

感じているだろう

私の闇の中でしか打たない鼓動を

ただ疎ましく

怖れるように裏切りながら

 

譜奏66