氷河で削られてできた深い湖の
湖面のスクリーンに
いろんな色に変わっていく花や
木の葉が映っていた
それを見た少女は目を見開かせて
わずかに揺れる色を楽しみ
形を聞き
音を見つめていた
母を失くしていた少女はある日
湖に立って遠くに行くのと囁いた
だからもし空から見てるなら
これからはもう見ないでと言った
良いことは起こらないから
だからもう見ないでと囁いた
譜奏57
氷河で削られてできた深い湖の
湖面のスクリーンに
いろんな色に変わっていく花や
木の葉が映っていた
それを見た少女は目を見開かせて
わずかに揺れる色を楽しみ
形を聞き
音を見つめていた
母を失くしていた少女はある日
湖に立って遠くに行くのと囁いた
だからもし空から見てるなら
これからはもう見ないでと言った
良いことは起こらないから
だからもう見ないでと囁いた
譜奏57
バラードの4拍子の中に
埋もれていた切ない時間が
無数の放物線のようになって
眠りを妨げる夜
親しんだフレーズに
耳を塞いだ手を
開かない貝の形にして
私は
異物のようになっている心が
身体から切り離されることを
祈るようにその静けさに委ねた
私は怯えていたのかも知れない
私そのものが変わっていく
確かな兆しに
譜奏56