2017年5月1日

バラードの4拍子の中に

埋もれていた切ない時間が

無数の放物線のようになって

眠りを妨げる夜

親しんだフレーズに

耳を塞いだ手を

開かない貝の形にして

私は

異物のようになっている心が

身体から切り離されることを

祈るようにその静けさに委ねた

私は怯えていたのかも知れない

私そのものが変わっていく

確かな兆しに

 

譜奏56