2019年4月19日

望みが叶う夜は

騒めく赤いジェラシー

初めて出会う人の

見慣れた懐かしい髪

置き去りにしたのに

囚われていたのは

大切にするものが

私の胸にないから

祈るように夜明けを

見ていたけれど

言い聞かせたの

特別な愛を

選んだわけではないと

翳りある胸に

 

譜奏365

2019年4月17日

見上げたら

円い円い月の灯りが

ドレスのように

蒼い静けさを纏ってるの

水面だけに踊るように揺れて

私が生まれた日の星を

西の空に連れていったまま

ギター爪弾く指にかざして歌うの

砂を踏んで

ねえ、あなたはみつけた?

暖かな温もりを

柔らかなまなざしを

愛のように強く抱きしめる

手を

 

譜奏364

2019年4月15日

何を失くしてうつむいているの

さぁ顔を上げて

笑ってみせて

あなたの空の白い鳩は

風に吹かれて

雨に打たれても

果てしない碧に向かって

翔び立とうとしているのだから

やさしさと愛

紡がれし星

一人一人が心に希うことは

いつか重なる

自由という名の

自分だけの翼

 

譜奏363

2019年4月12日

ずっと何かを探して生きていた

でも

いつも何かが足らないの

いつも何かが多すぎるの

自分らしく生きるって

自分らしいって何ですか

窓を伝わる雨の粒に

映った自分が淋しくて

過ぎた時に捨てられるように

私ぼんやり見ていた

通り過ぎていく人波を

小さな頃にクレヨンで

描いた絵の色見るように

 

譜奏362