少し油断すると繰られるように出来ていそうな
社会という満員箱の中で
自分の素直な声を聞くことは大切な心がけだと思ったら
その声は何によって創られているのかと気になりだして
私は目を閉じて自分の胸を歩いてみたけれど
胸は今違うことに捕らわれていて関心が無さそうだった
目を開けると日常の雑想が騒ぎ出す
何も考えず繰られて生きていくとどんな風になるのだろうと思う
あるいは人にはそのほうが自然なことなのかもとも思ったりする
しかし私の心は聞きたい時にはうるさそうにして
話したい時には責め口調でこんな風に私に言ってくる
あなたは自分の意思のように日々を行なっているけれど
自分がどこにいたかは覚えているけれど
今自分がどこにいるのかを私に示したことはないでしょと
譜奏301