2018年11月19日

秋が数日でいなくなって

突然冬の風を感じた遅い朝

バス停に坐っている淋しい人を見かけました

私は失礼のないようにその人を見ないように通り過ぎて

牛乳と果物を買ってまたバス停の近くにきた時

その人がいなければいいのにと思っていました

以前同じようなことで苦い思いになったことがあるからです

でもそう思った時にはもう彼の姿が見えてきていました

ちょうどバスが着いて誰も降りなくて

バスは開けた扉をすぐに閉めながら走り出した時でした

生きていたら私の父くらいの人でした

動かないままの背中は丸く淋しいままでした

こんなに寒いのにと思いながら私は通り過ぎました

そしてしばらく歩いてまた私は振り返ってしまっていました

 

譜奏300