2017年3月8日

カフェラテを手に

何故か誰しもが忌み嫌い

誰しもが痣のように憑かれる

憎しみという

遺伝子生物の容姿を

思い浮かべて

目線で視界に描がいていた

透明な物だけでは成り立たない

濁る物だけでは成り立たない

人の

時の

魔物

その魔物への選択なのだと思った

憎しみという息は

 

 

譜奏33

雨のロザリオ

―――――いけにえのように悲しみを知るの
―――――眠る赤のように

――――――――――『雨のロザリオ』より

 

美しい何かが単立していたら

人は息を飲み

みつめ

その気高さにやがて

凶暴さを覚える

朽ちることを赦さず

壊すことでその気高さを

刻むように

置き去るように

涙は何の生贄なのか

さえ顧みることなく

私に問いかけることもなく

最後に表わす

終いの色のように

 

譜奏32

紅の結 Destiny Rose

―――――季節が
―――――息を失くしていても

『紅の結 Destiny Rose』より

 

振り返る人生を考える時間を

その光を

その泥濘を

ふさわしくしてくれるものは

何なのだろうと

ふと思う

偽りの水晶が私の色を映すなら

私はその円を滲んで破る

微光に生まれ変われたらと希う

終わりのない欲望

時が私を置き去ることなど

決して許さない

その残酷さを私は

愛おしんできたのだから

 

譜奏31

2017年3月1日

幻想の中で生きた一日

凍てついた鉄柵に

脚を貼りつかせられた幼鳥がいた

私は驚いて幼鳥を両手で持ち上げ

暖めようと

震える体を胸に入れた時

幼鳥の脚が切れていることに

気づき泣いた

もう飛べないもう永遠に

止まらない涙が落ちた時

あなたがいつか悲しい時

この羽根を燃やせば

その悲しみを消しにいくからと

風の声が聴こえたの

譜奏30