紅の結 Destiny Rose

―――――季節が
―――――息を失くしていても

『紅の結 Destiny Rose』より

 

振り返る人生を考える時間を

その光を

その泥濘を

ふさわしくしてくれるものは

何なのだろうと

ふと思う

偽りの水晶が私の色を映すなら

私はその円を滲んで破る

微光に生まれ変われたらと希う

終わりのない欲望

時が私を置き去ることなど

決して許さない

その残酷さを私は

愛おしんできたのだから

 

譜奏31