雨のロザリオ

―――――いけにえのように悲しみを知るの
―――――眠る赤のように

――――――――――『雨のロザリオ』より

 

美しい何かが単立していたら

人は息を飲み

みつめ

その気高さにやがて

凶暴さを覚える

朽ちることを赦さず

壊すことでその気高さを

刻むように

置き去るように

涙は何の生贄なのか

さえ顧みることなく

私に問いかけることもなく

最後に表わす

終いの色のように

 

譜奏32