自分の信念を持って生きるということは素晴らしいことだと思っていた
その上に確かな夢の葉が生い茂り使命へと研ぎ澄まされていく
これ以上ない祝福された人生の在り方だと誰しもがイメージするだろう
私も一度としてそれを疑ったことがなかった
そんな自分になるために精一杯の葛藤を繰り返してきたと言っていいから
しかし、と私は今思ってしまっている
その信念。
出自の不明なその信念という固形物のような感触のものは
いったい何によって受粉して形を得たものなのだろうと
そもそもその胚と受け入れる着床という機能の構図は
どんなロジックによって何者が用意したものなのだろうと
しかし多分こんなことは考えるだけムダで不毛な問いでしかない
結局人は解らないことは神の仕業ということにするしかないのだろうから
近頃私は投げ出すように最後は神という結びが鼻についてしかたないのだ
譜奏470