2019年12月4日

ケガから鎮痛剤依存になって酷い酒浸りになっていく父を憎んでいた

根っからの昔気質の職人だったから仕方ないのかもしれないけど

そんなの弱すぎるって辛い気持ちの方が強かったからね

すぐに死んじゃったわ、身体がもつ訳ないもんねあんな暮らししてたらさ

さびしい通夜で悲しかったけど私だって憎まなきゃやってられなかったの

でもバチが当たった感じになっちゃったわ、それからのワタシの人生

合理的に論理的に生きようと思う人間になっちゃって

最後の最後は自分じゃない何かに頼るようになっちゃって

何をやっても裏目に出る人生が始まっちゃったの

結婚まで考えたノウハウ男にいいようにオモチャにされてステられて

どん底気分でもういいや死んじゃおうかと思った時

ふっと気づいたの、なんだ、私、全然自分を生きてないじゃないって

私こそ何も考えないで生きてきたバカな依存者じゃないかって

その時初めて身体中の憎しみを吐きだすようにワタシ泣き明かしていたの

 

譜奏462

2019年12月2日

誰かのではなく

何かの奴隷のように生きるという精神質が女にはあるのかもしれないと

不快な重い夢を見て冷たい汗に起こされた私は

呼吸のように点滅しているデジタル時計を睨みながら

自分の中に顔を出したぬめりとした触感の感覚に腹を立てていた

何の為に神様はこんな異物をわざわざリレーションしてきたのだろう

女族に必要なものは必ず知らせ気づかせるために

ご丁寧にその影まで作ってくれたということなのだろうか

どんなに譲っても不可解でしかないけれど

例えば悲しみを紛らせるために苦しみに生きようとするのも

女が女を生きたという絵に納まるような気がしないわけじゃないけれど

でもやっぱりそれは良くない、むしろ女って

大切な扉の鍵は誰にも見つけられない妖精の置物の下に

そっとそして永遠に隠したままのほうが物語になるのだから

 

譜奏461