2019年12月20日

さびしいくらいでちょうど生きてる気がしている

苦しみに沈む時は雨を待てばいいくらいに思っている

悲しみを感じることはほとんどない

誰かの約束を盗んでその約束を守るために生きてもいいと

飛躍した妄想に衝動を覚えたりすることがある

私は私自身が人生のありきたりな光景の中の一つでしかないと感じている

この身体に流れる血でさえ借り物のような気がしているのだから

私は待っている

気まぐれに操り糸を引く人を焦がれる埃っぽいマリオネットのように

運命という訪ね人が近づいてくる足音を

赤信号で止まって青信号に変わって歩き出す日々の多くの無口な制約

顔も内臓も白く透けたように見えていたのかもしれない

夜のバスの窓からありふれた景色のように私を見る人の目が

捨ててきた過去のようにすぐに消える風音の背後を通り過ぎていった

 

譜奏469