感じる考える選択する
日常はその繰り返し
人生と大きく言ってみても高揚は稀にしかやってこない
無力を感じ一人を感じ実感のない自分を感じ
素直な欲望さえはっきりしないこともある
生きるってなんだろうって思うことに飽き
ついつい誰かと比べる嫌な癖が身に付いて
その癖に疲れたり苦しんだりする
だから幼稚な作戦だけど
ムリに描いた夢でも無いよりあったほうが良いのかも
それで俯かなくなるのなら良いのかも
だから言いなさい
生きてるって
言いなさい
譜奏157
感じる考える選択する
日常はその繰り返し
人生と大きく言ってみても高揚は稀にしかやってこない
無力を感じ一人を感じ実感のない自分を感じ
素直な欲望さえはっきりしないこともある
生きるってなんだろうって思うことに飽き
ついつい誰かと比べる嫌な癖が身に付いて
その癖に疲れたり苦しんだりする
だから幼稚な作戦だけど
ムリに描いた夢でも無いよりあったほうが良いのかも
それで俯かなくなるのなら良いのかも
だから言いなさい
生きてるって
言いなさい
譜奏157
微睡んで辿る眠りの夢に現われる深い青色の蝶は
受ける光の角度で危うい紫に見えたりする
この蝶は何か懸命だ
基本的に無機な存在なのに私の夢を忙しく翔け舞う姿は
背景のモノトーンに重い運命を与えているようにさえ思える
唐突に初めてこの蝶が現われた時
私は何故かうれしい気持ちになった
心のどこかで何かを待ち続けていた自分を感じていたからだと思う
しかし長い時間が過ぎてもその期待は兆しに変化せず
ただ無機のままただ存在しているだけだった今日までは
明日は判らないと感じつつ
私は今疑っている
この蝶は私の夢そのものを食べて生きている
捨てられた有機の集合体なのかもしれないと
譜奏156
質素は美徳と教育者は言い
その実売りにしてきたのは哲学だった
恩恵を被ってきたのは出版社と本屋さん
そんな売りフレーズがたくさんな時代があった
結局憧れを売っていたのだと今は思う
そんな時代に生きていた私は
巡礼という言葉とその存在に捕まった
一瞬に激しく
今思い返してもその理由が解らない激しさだった
人は私は見ぬ異端を欲している
その潜在心だけは本当のような気がするけれど
これも理由はもっと判らない
因みに私が捕まった巡礼者は贖罪などしていないと告げただけの
私の最初の憧れを萎ませた行きずりの異端者に過ぎなかった
譜奏155
人生にプログラムなどありはしないはずと
考える人は賢明だ
しかし現実は多くの人が
そのようにしか見えないように生きている
そうなるとまた神の登場かと思うが今はそれは考えない
近頃は答が出そうにないことは無視して流すようにしている
私はどうだろう
そのようにしか見えないように生きているのだろうか
どちらでも良いような気がしながら
どちらにせよ賢明は退屈そうだと思った
本当を言えば私は私を知っている
あえて言葉にしないのは言葉にしてしまうと
逃げ去るような私の衝動の影が
見えるような気がしているからだ
譜奏154