2017年12月20日

微睡んで辿る眠りの夢に現われる深い青色の蝶は

受ける光の角度で危うい紫に見えたりする

この蝶は何か懸命だ

基本的に無機な存在なのに私の夢を忙しく翔け舞う姿は

背景のモノトーンに重い運命を与えているようにさえ思える

唐突に初めてこの蝶が現われた時

私は何故かうれしい気持ちになった

心のどこかで何かを待ち続けていた自分を感じていたからだと思う

しかし長い時間が過ぎてもその期待は兆しに変化せず

ただ無機のままただ存在しているだけだった今日までは

明日は判らないと感じつつ

私は今疑っている

この蝶は私の夢そのものを食べて生きている

捨てられた有機の集合体なのかもしれないと

 

譜奏156