質素は美徳と教育者は言い
その実売りにしてきたのは哲学だった
恩恵を被ってきたのは出版社と本屋さん
そんな売りフレーズがたくさんな時代があった
結局憧れを売っていたのだと今は思う
そんな時代に生きていた私は
巡礼という言葉とその存在に捕まった
一瞬に激しく
今思い返してもその理由が解らない激しさだった
人は私は見ぬ異端を欲している
その潜在心だけは本当のような気がするけれど
これも理由はもっと判らない
因みに私が捕まった巡礼者は贖罪などしていないと告げただけの
私の最初の憧れを萎ませた行きずりの異端者に過ぎなかった
譜奏155