命に限りがあることを人は知っている
しかし多くの人はそれを口にせず
懸命に生きることに目を向けて希望を探すように生きていく
または人生は楽しんで生きるものだと言い頷く
死の恐怖に目を塞ぐように
そしてそう生きることを肯定し合い
責める人は誰もいない
その恐怖に侵されまいとするように
素朴に私の実感はその中には無さそうだ
そもそも死への考え方に正誤などないだろうと感じている
ただ死は正すだろうと思う
陰を寄せて
時が尽きるまでの仮の時間のフレーズを
置き去ってきた私自身の鼓動のリズムそのものを
譜奏87