2017年7月7日

大切にしたい何かをはっきり感じた時

怯える胸に私は手を押し付けた

曖昧さを無くすということは強制的に

確かな覚悟を強制されるという

暗黙のメカニズムが作動する

その実務的な態度の容赦の無さは感じていて面白かった

しかししばらくそうしていると

不思議に怯えがリズムを失って

平安な凪が予め決められていたかのように

私の海に横一線の海平線を引いた

一人の深夜に私は私に手を叩いていた

長く痣のように付き合ってきた私の怯えは

単に女の持つ遺伝子の

悪癖に過ぎないと知ったからだ

 

譜奏85