道から外れる生き方を
怖れてはいけない
賢人のように示された道は
何処から始まり何処で終わるのか
誰も知らされてはいないのだから
そもそも道って何?
道って自分が自分の足で
歩いてきた足跡と
これから歩いて行く足跡の幻を
枠にしただけの場所に過ぎない
従うなど愚かだ
その示しの鏡に映る自分は
逆トリックに囚われて惑う
餌食でしかない私なのだから
譜奏39
道から外れる生き方を
怖れてはいけない
賢人のように示された道は
何処から始まり何処で終わるのか
誰も知らされてはいないのだから
そもそも道って何?
道って自分が自分の足で
歩いてきた足跡と
これから歩いて行く足跡の幻を
枠にしただけの場所に過ぎない
従うなど愚かだ
その示しの鏡に映る自分は
逆トリックに囚われて惑う
餌食でしかない私なのだから
譜奏39
―――――あなたの笑い声が
―――――すべてをやさしくして
―――――気がついたら ひとりで泣いていたの―――― ――――――『昼顔』より
何かの哀しみの後
這うようにして
誰かの森の中に逃げ込もうと
裸足で走った
私には自分の力では戦えないと
わかっていたから
躓いた足を捨て
陽翳りに過去を置いて
時間を殺した夜顔のように
しかし
時は死ななかった
たった一つの笑みが不意に
私の全てを射光して
証しの矢を放っていた
譜奏38
―――――わたしが重ねた罪のように
―――――『悲しいアンブレラ』より
私は私の死で
いずれ
私の周りに
私だけの円を描がく
切られたピアノ線が
丸く遊ぶように
そして
時が過ぎて
その円が
砂になったら
暗闇の夜に
空に投げて下さい
一瞬の満天の
星々のようにでも
譜奏37
―――――名も亡き花にこそ似し
―― ――『紅筆』より
抱いていた人形は
息をしないまま私を
みつめていた
気づいた私を
咎めるかのように
愛
私だけの永遠の
愛
夜のように
花のように
ゆるやかに
狂うように
怯えていた
紅に
譜奏36