―――――季節が
―――――息を失くしていても―『紅の結 Destiny Rose』より
振り返る人生を考える時間を
その光を
その泥濘を
ふさわしくしてくれるものは
何なのだろうと
ふと思う
偽りの水晶が私の色を映すなら
私はその円を滲んで破る
微光に生まれ変われたらと希う
終わりのない欲望
時が私を置き去ることなど
決して許さない
その残酷さを私は
愛おしんできたのだから
譜奏31
―――――季節が
―――――息を失くしていても―『紅の結 Destiny Rose』より
振り返る人生を考える時間を
その光を
その泥濘を
ふさわしくしてくれるものは
何なのだろうと
ふと思う
偽りの水晶が私の色を映すなら
私はその円を滲んで破る
微光に生まれ変われたらと希う
終わりのない欲望
時が私を置き去ることなど
決して許さない
その残酷さを私は
愛おしんできたのだから
譜奏31
幻想の中で生きた一日
凍てついた鉄柵に
脚を貼りつかせられた幼鳥がいた
私は驚いて幼鳥を両手で持ち上げ
暖めようと
震える体を胸に入れた時
幼鳥の脚が切れていることに
気づき泣いた
もう飛べないもう永遠に
止まらない涙が落ちた時
あなたがいつか悲しい時
この羽根を燃やせば
その悲しみを消しにいくからと
風の声が聴こえたの
譜奏30