心だけ届かないの
夜は暗いだけでしょ
驚いた鏡の色
割れて泣いた波のよう
過ぎてゆくものは
移ろふと
知っているから
明日の朝海を見るの
風に奪われるように
いつか
私の罪にしなやかに
流れるのなら
最後の言葉は
je l’ aimeとだけ言って
譜奏345
心だけ届かないの
夜は暗いだけでしょ
驚いた鏡の色
割れて泣いた波のよう
過ぎてゆくものは
移ろふと
知っているから
明日の朝海を見るの
風に奪われるように
いつか
私の罪にしなやかに
流れるのなら
最後の言葉は
je l’ aimeとだけ言って
譜奏345
自分についた嘘は
ごまかせないけれど
何か話そうとして結んだ唇
壊れたように動かない
いつか罰を受けて
やさしくなったら
悲しさを抱いてみつめていた
日曜日の夜の花
きっと
胸に残るはず
それさえも
運命と感じて
いつかこの時を想うように
蒼夜曲を聴くように
譜奏344
忘れた罪が
吐息で雨になれば
昨日までの時間に小さく
さよならと言って
声から指先
抜けていく鼓動に
飾られて行き場なく
愛に溺れていたの
悪女を気取って
その赤に閉じ込めても
爪から肩先
悲しみに震えて
さびしくて折れていた
わたしだけのルージュ
譜奏343
知らない街の道で
座り込んでいた人
きっと
悲しい目の私に似てた
通り過ぎていったけど
水に溶けて流れるような
かけがえのない今を
胸のどこかでわかっていても
何もできないけど
空から降る雨にもいろんな色があるね
一人迷い目で手と手を合わせ
いつか人の心に残る種を
一息吹き出して私
風になりたい
譜奏342