一夜雨にうたれて
蒼く悲しく滲んだ月に
歌うように別れを
渇いたファドのギターだけなら
愛せるから
夢に写る私の顔が
笑って
壊れていく
水面が揺れるように
時が砂のように過ぎていくのなら
抱きしめて
永遠が赦すはずない
夜の終わりに
セレナーデを歌うように
譜奏349
一夜雨にうたれて
蒼く悲しく滲んだ月に
歌うように別れを
渇いたファドのギターだけなら
愛せるから
夢に写る私の顔が
笑って
壊れていく
水面が揺れるように
時が砂のように過ぎていくのなら
抱きしめて
永遠が赦すはずない
夜の終わりに
セレナーデを歌うように
譜奏349
家を出たネコが雨に濡れて
小さく振り向く
あの日の私を知っているように
張りもなく胸が渇く夜を
鏡に映して
身体を丸めて
気まぐれにオモチャを抱くように
吐息が静かに落ちていく
投げ出した指の先に何もないの
愛だけがわからないの
私には
水に溶けて哀しそうに滲んだ
一夜だけの自画像
忘れられた習作画
譜奏348
手を繋ぐ力
離して確かめて
夢の欠片を抱いて眠るように
過ぎていった日々
そうねあの頃は
若くて
ただひたむきで
でも私
きっとわかってた
怖くてただ言えないだけで
変わらないものを
枯れていくことで教える
花のように
愛だけを恐れていたことを
譜奏347
どんなに悲しい時でも
いつでも笑っていたの
風が過ぎていく音を
ずっと背中でみつめていたの
スクリーンに青い雨
運命のように
打ちつけるけど
私だけは傷つかないで
笑顔だけで
人を愛せるはずと思ったの
真実じゃなく
偽りじゃなく
天使のように
CINEMAのように
譜奏346