家を出たネコが雨に濡れて
小さく振り向く
あの日の私を知っているように
張りもなく胸が渇く夜を
鏡に映して
身体を丸めて
気まぐれにオモチャを抱くように
吐息が静かに落ちていく
投げ出した指の先に何もないの
愛だけがわからないの
私には
水に溶けて哀しそうに滲んだ
一夜だけの自画像
忘れられた習作画
譜奏348
家を出たネコが雨に濡れて
小さく振り向く
あの日の私を知っているように
張りもなく胸が渇く夜を
鏡に映して
身体を丸めて
気まぐれにオモチャを抱くように
吐息が静かに落ちていく
投げ出した指の先に何もないの
愛だけがわからないの
私には
水に溶けて哀しそうに滲んだ
一夜だけの自画像
忘れられた習作画
譜奏348