2019年5月17日

綺麗なままの虚ろな夢から

逃がれて

汚がれの中で信じる脆さに

汚れて

過ぎてしまえば愚かなほど

肩肘張って生きてた

解り合えたらうれしいけど

それはきっと気分しだいの真似事

砂埃舞う

風の果てのミラージュ

一度だけ振り向く最後の人

人を愛することができない人形でも

雨にうたれて悲しい夜

熱いセレナーデ聴こえるから

 

譜奏377

2019年5月15日

ビルの谷間の風に吹かれ

海に続いた道を見ていた

時が過ぎても変わらないことを

当たり前のように感じていたけど

どこまで行けば

何を棄てれば

あどけない目をした

あの頃の私に会えるのだろう

抱きしめるほど

わからなくなる夢を

抱きしめて

波に流した写真の中に映るように

私の悲しみは壊れていた

色褪せた想い出だけでも生きられるほどに

 

譜奏376

2019年5月13日

虹のように消えていく

大切な時間を胸に

あたためながら

祈る手は怯えていた

キレイに生きてきたと

言えない私だけれど

あなたの笑い声が

すべてをやさしくして

気がついたら

一人で泣いていたの

身体を捨てて心を捨てて

あなたの吐息だけを感じて

力の限り抱きしめていた儚い夢を

さ迷いながらみつめた星のように

 

譜奏375

2019年5月10日

深い海の色が

なんだかさびしいね

過ぎてしまうだけの夢を

追いかけているようで

人は風のように

どんなに愛しても

いつか開いた手を

すり抜けていくね

少しだけそばにいてと

言っていたのに

振り返らなくなった時を

私を思い出す

あの日憎しみのように

捨てたはずの街なのに

 

譜奏374