幸せを見比べる人の目線を感じて
それは演技なのだと思ったら私は捻れて
その人の空間の全てが薄っぺら過ぎて
息を吸うのも苦しい季節ほどの長さの時期があった
ちょうどそれは私の青春時代の最初の頃だった
人は未意識に自分の心を惑わせる人格多重だ
私はそう決めつけて警戒しながら青春を過ごすことになった
絶望を永遠に奪い去るサプリメントが将来開発されたら
そのサプリメントのネーミングは絶望と名付けられるのが相応しい
そう思うしかなかった
何故多くの未意識は比べるのだろうという問いも今はない
多重など雨降る小屋の三文役者なのに
人生はパソコンのように上書きなど出来ないんだからと
もう一人の影が教えてあげたら良いのにと
譜奏132