この部屋の秒針の音が
どこかの砂漠の砂を揺らして蒼い陰を創る夜は
砂粒がデジタル音のようにキュッと鳴いて
私の部屋の四隅に還って眠らない
一秒は二秒を追い
逡巡するように三秒は一秒を確かめる
無機と思えるモノほど
複数形としての存在を保つのは何故だろう
静寂は受け身に見えて私には最も騒がしく
際限なく受け入れる脅えを私に与え
夜毎悩ましいほどにその手を広げている
まるで愛する者の旅の終わりを待って
その蒼い翳りを背に
寡黙に抱きしめるかのように
譜奏97
この部屋の秒針の音が
どこかの砂漠の砂を揺らして蒼い陰を創る夜は
砂粒がデジタル音のようにキュッと鳴いて
私の部屋の四隅に還って眠らない
一秒は二秒を追い
逡巡するように三秒は一秒を確かめる
無機と思えるモノほど
複数形としての存在を保つのは何故だろう
静寂は受け身に見えて私には最も騒がしく
際限なく受け入れる脅えを私に与え
夜毎悩ましいほどにその手を広げている
まるで愛する者の旅の終わりを待って
その蒼い翳りを背に
寡黙に抱きしめるかのように
譜奏97