2017年8月7日

シェリー酒が恋の駆け引きに使われるようになったのは

その夜の結論を急ぐ娼婦の仕業だったのか

火遊びを飾りたいおとぎ話への畏敬だったのか

どちらにしても世界に流行していったのは

恋の一面に必要なツボを心得ていたということだろう

シェリードランカー

哀しいまでの恋の性

ひたむきな欲望をあるがままに感じさせ

破滅的な末路を想像させるこの言葉を

多くの女性は刹那の中で認めた

半身の背の私は悪戯な罪を投げ込むように

ローズオイルにハチミツを入れてソーダを注ぐ音に笑む

私のシェリーは

サティのグノシエンヌには似合わないはずだから

 

譜奏98