シェリー酒が恋の駆け引きに使われるようになったのは
その夜の結論を急ぐ娼婦の仕業だったのか
火遊びを飾りたいおとぎ話への畏敬だったのか
どちらにしても世界に流行していったのは
恋の一面に必要なツボを心得ていたということだろう
シェリードランカー
哀しいまでの恋の性
ひたむきな欲望をあるがままに感じさせ
破滅的な末路を想像させるこの言葉を
多くの女性は刹那の中で認めた
半身の背の私は悪戯な罪を投げ込むように
ローズオイルにハチミツを入れてソーダを注ぐ音に笑む
私のシェリーは
サティのグノシエンヌには似合わないはずだから
譜奏98