2017年8月9日

魂を抱くように胸に手を添えて目覚めた朝

冷えた手の白さに

熱を奪っていった何者かの気配が宿っていた

何度繰り返しても

この身体という主体を亡くした後の私自身が思い浮かばない

それは問いというほどの確かさもなく

進めないまま退がれないまま

私の足元に地雷のように張り付いているだけだった

性悪だ

生まれてきて

一生懸命に生きようとして出会う問いには

刃を握った傷みしか返ってこない

胸を庇う手の熱はきっとその戦いで

術なく廃色していくのだ

 

譜奏99