魂を抱くように胸に手を添えて目覚めた朝
冷えた手の白さに
熱を奪っていった何者かの気配が宿っていた
何度繰り返しても
この身体という主体を亡くした後の私自身が思い浮かばない
それは問いというほどの確かさもなく
進めないまま退がれないまま
私の足元に地雷のように張り付いているだけだった
性悪だ
生まれてきて
一生懸命に生きようとして出会う問いには
刃を握った傷みしか返ってこない
胸を庇う手の熱はきっとその戦いで
術なく廃色していくのだ
譜奏99
魂を抱くように胸に手を添えて目覚めた朝
冷えた手の白さに
熱を奪っていった何者かの気配が宿っていた
何度繰り返しても
この身体という主体を亡くした後の私自身が思い浮かばない
それは問いというほどの確かさもなく
進めないまま退がれないまま
私の足元に地雷のように張り付いているだけだった
性悪だ
生まれてきて
一生懸命に生きようとして出会う問いには
刃を握った傷みしか返ってこない
胸を庇う手の熱はきっとその戦いで
術なく廃色していくのだ
譜奏99