2017年8月11日

毎朝

生まれ変わると信じていた

少女の私

自分を風のように思い

宙のように感じ

月を映す海のように振る舞っていた

過去も未来もなだらかな紫色のトーンで護られ

現在はその途中の白色のコマ送りに過ぎないと

私は私自身が遺伝子そのものであるかのように

ただその力を受けて経脈の流れに身を委ねていた

しかし宿命の前夜を知る血のプログラムは

緩やかに私の白色に侵食していく

約束されていた遺伝子そのものが

制御不能な獣に変異していくように

 

譜奏100