2020年2月3日

道を間違えたところを見ていたように雨が降り出して

目に入る光が滲んだイルミネーションのように美しく見えた

思えば特に急いで行く必要のない場所に

私はいつも真っ直ぐムダ無く向かおうとしてしまう

緩めるということがなかなか上手く調整できないのだ

このまま車ごと空に飛んでいってしまいたいと思ったこともあった

そこに眩しい光の海があるような気もしていたから

時は何故流れていくのだろうと繰り返す

姿も見せず手で捕まえることもできないのに

本当の眠りに手が届かない私の一人座は

時の点に座ったまま白化していく珊瑚のようだ

過ぎてきた出来事も今そのものも静かに内なる火に灼かれ

やがては形容の無い色の灰になっていくのかも知れない

私が思う真実が私から逃げるように礁に戻っていくように

 

譜奏489