哀しみの身代わりを探していたら
捧げるものが失くなっていることを知り
許し合える人を嫉む自分に行き着く
私を高揚させるだけの罠と知りながら
指を組んで形を整えると
輪郭だけの月はいっそう妖しく
身体が凍っていくような深い眠りに落ちて
明日の朝まで
自分の名さえ思い出せなくなる自分でいたいと
空に祈りそうな私を楽しむように
嗤うようにも
憐れんでいるようにも
微笑んでいるようにも
私をみつめ返してくるだけだった
譜奏298
哀しみの身代わりを探していたら
捧げるものが失くなっていることを知り
許し合える人を嫉む自分に行き着く
私を高揚させるだけの罠と知りながら
指を組んで形を整えると
輪郭だけの月はいっそう妖しく
身体が凍っていくような深い眠りに落ちて
明日の朝まで
自分の名さえ思い出せなくなる自分でいたいと
空に祈りそうな私を楽しむように
嗤うようにも
憐れんでいるようにも
微笑んでいるようにも
私をみつめ返してくるだけだった
譜奏298