2018年11月12日

カラスが死んでいた公園道を

青のジョギングウェアが過ぎていった後

大粒の雨が降り出して

ホームレスのような老人が現れて

素手でカラスを埋め出した

子供が恐がるからだと一人言を言っていたが

どこかからやってきたお巡りさんに手を引かれて

老人はどこかに連れていかれてしまった

老人の手がひどく土で汚れていたのが見えた

隣の席にいた2人連れの女性のどちらかが

かわいそうにね、と言ってマグカップを持ち上げて

もう1人が場を和ませるように笑っていた

ミントティーの香りがしていた

寂しいパントマイムのような午後だった

 

譜奏297