2018年11月9日

人として一番残酷なこと

それは長い時間を欺いて精神を開かないままに

その時間を共依存として費やしてしまうことだろう

私の中では一番の重罪と感じている

しかし

生きていく心というのは一理に収まらず複雑なものだ

人間の思考など一形の偏愛に過ぎないと思えてしまえば

決して踏み外してはいけないと決めていた一線があっても

私が私の衝動熱に焼かれてしまうだけで

それはむしろはっきりとした願望に変わることもあり

やがては私の熱量の河の流れに呑み込まれてしまうだろう

そして残酷であるがゆえの価値ということも否定できなくなる

私が忌み嫌い最も虚しいと思ってきたことを

あなたも同じようなことができるくせにと囁く私がいるのだ

 

譜奏296