人が正しいと言う判断が私は苦手なようだ
未だに正しいという意味が私にはよく解らない
その反動かも知れないけれど私という人間は過ちを見逃すことがない
正直私はそんな私自身を心底嫌っている
例えばと絶対口にしたくないと思いながらの例えば
もし愛する人が現れてその人の右目が見えなくなったら
私は私の左目を殺してその人の右目になって
二人で一つのモノを一緒に見ればいいと
恋を愛を私はそんな風に盲目に夢見てきた
それ以外の答などあるはずがないと断定して胸に秘めていた
しかしその想いは私の人生では始まりの序章でしかなかったのだ
何の気配もなく風に剥がされるように過ちは残酷に気づくのだ
それがいつまでも消えないでただ煙っているだけの
私の熱の火種でしかなかったのだと
譜奏481