虹のように消えていく
大切な時間を胸に
あたためながら
祈る手は怯えていた
キレイに生きてきたと
言えない私だけれど
あなたの笑い声が
すべてをやさしくして
気がついたら
一人で泣いていたの
身体を捨てて心を捨てて
あなたの吐息だけを感じて
力の限り抱きしめていた儚い夢を
さ迷いながらみつめた星のように
譜奏375
虹のように消えていく
大切な時間を胸に
あたためながら
祈る手は怯えていた
キレイに生きてきたと
言えない私だけれど
あなたの笑い声が
すべてをやさしくして
気がついたら
一人で泣いていたの
身体を捨てて心を捨てて
あなたの吐息だけを感じて
力の限り抱きしめていた儚い夢を
さ迷いながらみつめた星のように
譜奏375
深い海の色が
なんだかさびしいね
過ぎてしまうだけの夢を
追いかけているようで
人は風のように
どんなに愛しても
いつか開いた手を
すり抜けていくね
少しだけそばにいてと
言っていたのに
振り返らなくなった時を
私を思い出す
あの日憎しみのように
捨てたはずの街なのに
譜奏374
風に吹かれて
何かを待ちわびたような二人の
祈りの形
砂の薔薇の花
あした占う東の空に伝えて
翔ぶ鳥よ
揺れる涙で
サヨナラと書いて
もう戻れないとわかっているから
希いは虚しく
麻の糸では繋げないことを
束の間に
儚く宙に舞って
なくなっていくだけなのに
譜奏373
淋しげな細い雨
私の傘に
言葉のように落ちて
セピア色の悲しい映画のように
一瞬の過去になっていく
南に歩いていけば
潮騒が聴こえてくるはずと
私の中のカモメがまた
私に嘘をつく夜
錆びついた古い鍵の形が
ゆっくり冷めていく珈琲のように
曖昧な苦さで
私の胸に流れていくの
ただ灼かれてしまうほどに
譜奏372