2019年5月3日

雨降りの中赤い傘さして

一人で誰の帰りを待つの

白いリボンのぬいぐるみ

苦しみぬいた青春の日々

取り残されて雑踏の中

叫んでいたの

私には生きる何があると

海にかかる虹

瞳のまん中で飾った嘘

私知ってたの

明日を信じてもう一度

虹を駈けていけるなら

ひとり悲しい時は

砂の貝殻うつ波の手をみつめて

 

譜奏371

2019年5月1日

あてもなく歩いていた

風の冷たい街

にぎやかな笑顔ですれ違う

楽しげな人たち

私のポケットには

独りぽっちの指

気づかれないように

うつむいていたから

いつか大きな海を渡っていく

鳥のように空を飛べたら

どんな悲しみも消えていくよと

遠く響く逃げるような誰かの声

もしも人を信じることに疲れて泣いたら

あなただけを見ていてもいいですか

 

譜奏370