2019年11月6日

美しい砂浜

汚れた波

そんな夢だった

私は異教徒の心で

夜の旅を歩いているようだった

私はまだあどけなさの残る少女なのかもしれないし

男を値踏みできる娼婦なのかもしれなかった

大切なのは真実だけだとずっと信じてきたことが

波に奪われていく音のように消えてしまうのを感じながら

私が惜しんでいたのはそれを胸に置いてきた時間だけだった

真実なんてただの出来事に過ぎない

欲望のままに生きてこそ女は女なのだ

私はサンゴの死骸を踏みつけながら月に気づいて

もうあなたの惑わしには乗らないよと笑ってみせた

 

譜奏450