美しい砂浜
汚れた波
そんな夢だった
私は異教徒の心で
夜の旅を歩いているようだった
私はまだあどけなさの残る少女なのかもしれないし
男を値踏みできる娼婦なのかもしれなかった
大切なのは真実だけだとずっと信じてきたことが
波に奪われていく音のように消えてしまうのを感じながら
私が惜しんでいたのはそれを胸に置いてきた時間だけだった
真実なんてただの出来事に過ぎない
欲望のままに生きてこそ女は女なのだ
私はサンゴの死骸を踏みつけながら月に気づいて
もうあなたの惑わしには乗らないよと笑ってみせた
譜奏450