2019年11月1日

色彩のない心の群れを通り過ぎて

私を認識していないアスファルトの音を聞いて

自分を知らない自分を悲しみのように憎みながら

ストリングスに目を閉じる夜

円運動で弾かれた糸音が憐れみのように身体を通り抜けて

私の中に変拍子を残していく

この苦痛を知りながら私がしばしば夜に抱かれるのは

私だけが知る私の罪を言葉にさせないためだ

その痛みを終わらせる時

私は死から目覚めたように瞼を開いて

祈りのように唇だけを動かして

その憎しみにやさしく話すように音を投げる

夜明けまで

生きると

 

譜奏448