デジタル時計の数字が朝か夜かも分からないほど眠ったのに
まだ起きようとしない自分に腹を立てて
私は蛇口から飛び出してくる水を殴りつけるように顔にぶつけた
毎夜訪れる示唆のような罰のような夢に
私の精神はなす術もなく萎んだ果実のようになっていく
何よりも誇らしいほどに瑞々しかった果皮の記憶が
悔いの澱をかき混ぜるように私を打ちのめしていた
もしかして
私は私自身に潜在する何かの化身の起点を知ることを
圧されることに紛れて防御しようとしているのだろうか
私の思考や価値観の始まりを本当は知っているのではないだろうか
やはりこの実感を何かの罰としか私は感じられないでいた
だったらもう二度と眠らない
私は唇を歪めてそう言って濡れたバスタオルを鏡に投げつけていた
譜奏415