心臓が一瞬のうちに何倍かに膨らんで
身体の血液の半分が消えていくような
ひどい悲しみに出逢ったことがあった
悲しみは一瞬では終わらないことを
それからの私は身体の痛みで知らされ続けている
うちひしがれた日々が乾きつつある頃
私は委ねるように自分のこれからの人生を考えた
そして自覚のない涙が落ちていくのを見た時に思った
心の希うままに生きることが私の全てなのだろうと
その時思いもよらない鮮やかな映像が心に浮かんできて
閉じ込められた小鳥のように私を息苦しくさせていた
あどけなく晴れた日に私は大道で色彩のように舞いながら
明日を知らないジプシーのように
見知らぬ土地で死んでいきたいと願っていたのだ
譜奏401