2019年7月12日

心臓が一瞬のうちに何倍かに膨らんで

身体の血液の半分が消えていくような

ひどい悲しみに出逢ったことがあった

悲しみは一瞬では終わらないことを

それからの私は身体の痛みで知らされ続けている

うちひしがれた日々が乾きつつある頃

私は委ねるように自分のこれからの人生を考えた

そして自覚のない涙が落ちていくのを見た時に思った

心の希うままに生きることが私の全てなのだろうと

その時思いもよらない鮮やかな映像が心に浮かんできて

閉じ込められた小鳥のように私を息苦しくさせていた

あどけなく晴れた日に私は大道で色彩のように舞いながら

明日を知らないジプシーのように

見知らぬ土地で死んでいきたいと願っていたのだ

 

譜奏401