2018年12月5日

青のクラリティに緑が這う空を

孤独な鳥は翼を鋭角に折って

海風に運ばれるように

潮騒の音を聴きにくる

私は貝殻で足の指を切った時の

鮮やかな血と白い砂が恐くて

波には近づかないようになり

海平線をみつめているだけになっている

そして私たちの前に海が広がっている

孤高を教え群れる無益を諭すように

或いはその意識さえ持たないように

夥しい波の刃が月に向けられる夜

孤独な鳥は翼を重ね岩洞に眠り

私は闇のクラリティの誘ないを知る白凪のように

 

譜奏307