2018年10月3日

アトレに奏でられることを必然としていた一弦は

蒼い恋と紅い夢の二弦を手に入れようと

月を見上げては急いで大人になることばかりを考えていた

美しすぎる旋律が空想の中でも身を熱くして

くり返す息さえ苦痛に感じさせていたからだ

調和

そしてその素敵過ぎるハーモニーの響き

私はただその中にいられればいいと願い

気づかないままに生きる備品を揃えるかのように

蒼と紅を追い求めることに憑かれていた

しかし何かが知らされるような不安を確かめようとした夜

その三弦は苦しむような不協和音を出して

私を驚かせ打ちのめし諭すように貴方は貴方という

幻想の一弦を奏でる重い中毒者だったのだと知らせていた

 

譜奏280