2018年8月15日

めずらしく都会が星明かりに包まれていたのに

透みきるはずの私の胸は淋しさでいっぱいだった

空も街も人も夢もいつか消えていく

この数日そんな幼い感傷から抜け出せないでいたせいだ

懐かしいと言ってもいいくらいの

もうとっくに卒業したと思っていた感傷だった

しかし私はこの淋しさが嫌いじゃなかった

むしろここにしかない甘酸っぱい切なさに

心が持ち上がっている自分を感じることができていた

人の感情は本当に一筋縄じゃいかない

人はその人そのものがミステリアスなのだ

淋しさって悪くない

何か不思議な結び付ける力のようなものを持っている

私はそう思ってもう一度星明かりの空を見上げていた

 

譜奏259