2018年8月17日

金彩の小さな型紙を指に挟んで黒の盤面に置いたら

目に焼きつくほどに輝いて私はしばし忘れていた

その偏形がパズルの一つのピースだということを

全ての形状には完成形が与えられていない

形は成立していると見せながらまた違う形に飲み込まれていく

ある意味では今ある形状の全てが完成されたものとも言える

卑屈に言えば不完全な形そのものが存在しないということだ

もちろん形状は目に見えるものだけではない

人の心も感情も動きながらはっきりとした形状を持つ

そしてその形状はいつも狭い門の前に立っている

何かを問うかのように何かを問われているかのように

しかしはっきりしているのはその門の鍵の形状が

人間がコーティングした真実というピースの

飾り形などになっていないということだ

 

譜奏260